(2021.10.1)2021年度最新:全国の有効求人倍率 1.15倍

~有効求人倍率を見るときの注意点~

 

2021年7月時点の全国有効求人倍率は1.15倍で
前年を0.06ポイント上回る結果となりました。

ここ数か月は同程度で推移しており、大きな変化は見られませんが、
コロナ前の2019年の水準(倍率1.55)と比べると、
依然として低迷していると言えます。

2009年のリーマンショック以降、倍率は9年連続で回復していましたが、
新型コロナウイルスの影響で、一気に下降に転じ、
下げ幅は過去20年で最大となりました。

前年との比較(2020年7月)で増加傾向にある主な業界は、
「建設業」(4.2%増)、「製造業」(40.8%増)、運輸・郵便業(10.6%増)
医療・福祉(9.2%増)です。

逆に、宿泊業,飲食サービス業(-0.9%減)以外で、減少傾向にあるものはありません。

 

<注意点>
有効求人倍率は、景気の動向を反映する数値として、
人事戦略や経営戦略を決定する上で知っておくべき指標の1つですが、

その数字は、ハローワークに登録された求人数・求職者数をもとに算出したもので、
民間企業が運営する求人サイト・就職サイトなど、
ハローワーク以外で募集されている求人は反映されていません。

さらに、含まれる求人の中には無期労働契約だけでなく、
有期労働契約も含まれているため、
求人倍率を就職・転職市場に単純に当てはめて考えると、
実際の市場動向とズレが起こる可能性があるので注意が必要です。

“有効求人倍率の増加=全ての職種、業界で求人数が多い”という認識ではなく、
あくまで参考値として捉えることが大切です。

 

■参考:厚生労働省 一般職業紹介状況(令和3年7月分)

ベクトル広報チーム(2021.10.1)